2019年10月 16 日 発行

連載コラム

第197号「先ずはやってみろ!50点で良い すぐやれ!」        岩城生産システム研究所佐藤 裕孝


 改善のアイディアが浮かびました。このアイディアを実施すれば、効率や品質が良くなると思われます。でもその工程を熟知している者にとっては、沢山の心配が頭をよぎります。
「これを実行すると、弊害が出るのではないか?」 「皆から反対されるのではないか?」「もしうまくいかなかったら、使った費用と工数がムダになるのではないか?」慣れたやりかたを変えるのは抵抗を伴います。 実行をためらってしまいますね。 
ましてや、従来の価値観を変える改革とか革新というレベルでは尚更です。 
常識として考えられてきたことを否定しなければならないことが多々あるからです。

・不良が発生したら設備を停める。「不良が出た分だけ、早く作らねばならないのに・・・・」
・工程内在庫を持たないで生産する。「既に受注しているので作れる所まで進めたいけれど・・・・・」  
・自動化の前にムダをとろう。「自動化さえすれば設備の能力が上がるのにムダトリ?・・・・・」

*これらは私たち岩城生産システムの支援で、提案している内容です。

従来のやり方のほうがあつれきもなさそうだし、楽ですね。でも、今までと同じ事をしていれば同じ結果しか生まれません。時代(=お客様が望む製品)もライバルも、どんどん変わってゆきます。変わらない事は、取り残されることと同義語と考えるべきです。例えば、5年先を考えるとどうなっているでしょうか?現在の延長線ではとても対処できそうにあり ません。

・働く人の人手不足は更に深刻になります。 高齢化も進行します。 人材確保は益々難しくなるで しょう。  
・アジアのキャッチアップが進みます。 既に後手に回った業種もありますね。
・ロボット化、IT化は一段と進みます。  我が社はその経費を捻出できるかな?
・自社の業務分野に大変革が起こるかもしれません。 フィルムカメラからデジタルカメラの例。
・国内は人口減により、公共・民間共に従来のサービスは期待できなくなってきています。
    JRの地方路線廃止 、   バス便数削減、   水道の民営化は大丈夫?

今までと違う考え方でも果敢に挑戦して欲しいのです。色々心配はありますが、思いとどまってしまえば、座して死を待つことにもなりかねません。

先ずはやってみましょう。 完全でなくても良いのです。 50点で良いからすぐやりましょう。

 やってみると不思議です。 すごいことが目の前に現われます。今まで考えもしなかったその先が見えてきます。 次なる高みへの改善点が見えるのです。私は山歩きをしますが、まるで登山のようですね。 頂上に立つと次の頂が見え、ターゲットが現われます。やり遂げたことが自信になり、更に高度な改善が近づいてきます。 
 ここまで言って水を差しますが、安全と品質を確保して実行してください。安全第一ですから。これも山登りと一緒かな。

(以上)