2019年2月 18日 発行

連載コラム

第189号「リーン・プロダクション・システムによる生産性の向上(1)」岩城生産システム研究所佐藤 裕孝

トヨタ生産方式、リーン・プロダクション・システムによるQCDの向上

 OECDの統計によれば日本の労働生産性はかつて世界最高に上り詰めたものの、低成長が長かった結果今やOECD加盟国中20位、G7で最低となってしまいました。
製造業では化学工業など米国よりも高い業種も一部ありますが、多くは低いのが実態です。 利益率も低く赤字企業もあり、給料アップが難しい企業もあります。 私は主に北地域で生産性向上支援を行なっておりますが、大企業への部品供給や工程外注も多いので、独自の経営ができずに力強い成長に欠けるように感じます。 加えて人手不足、給料安で人員確保が思うようにできず生産を伸すこともままなりません。
一方で現場を見ると、全体最適にはほど遠い乱流の生産になっており、工程には多量の仕掛りを抱えて生産性を低下させていること甚だしい のですが、生産方法や改善により品質、コスト、リードタイム(即ちQCD)が劇的に向上することに気づいていません。 その結果プライスが高くなり、親会社の海外移転が進み国内生産が減少し、さらに苦しい経営という悪循環になってしまいます。
 これを解決するのが、我々が技術支援するトヨタ生産方式、リーン・プロダクション・システムです。 生産性を向上させ、従来は考えることもできなかった別次元のQCDを追求していただき、経営を安定させ、給料を上げ、そして独自技術、独創製品の開発に注力し、世界に打って出る企業になっていただきたいと思います。 
   トヨタ生産方式、リーン・プロダクション・システムの考え方は、製造工場の生産工程はもちろん、農業法人の植物工場や商業にも効果があり、農業の6次産業化を成功させるためにも必須の技術と考えています。
                                                                          以上
(次号に続く)