2020年12月 30日 発行

連載コラム

第204号Show must go on       岩城生産システム研究所  岩城 康智



 約一年前2020年の初めには、まさかこのような形で今年が終わると予想できた人があったでしょうか?
19年のラグビーW杯が大成功に終わり、誰もが東京オリンピックを楽しみにしていたのが、新型コロナによって、私たちの日常は大きく変わってしまったのは誰もが認めざる得ないことで、今ではこれらの事が何年も前の話に思われるのは私だけではないはずです。この1年間に世界中で実に8,000万人以上が発症し、170万人もの人が命を落としています。また、この1年間で、凄まじい数の企業が倒産し、同時にそこで働く勤労者が職を失ってきました。
英国においての今年のクリスマスは地域によって、1日だけ限られた数の人々が集まることは許されたものの、他の地域によってはそれも許されずに、寂しいクリスマスとなりました。一方ワクチン接種が始まり来年に向けての希望となったのも確かです。しかし、これだけ犠牲がありながら、我々が何もしてなかった訳では無いのはご存知の通りで、世界中で行われている、ロックダウン(外出禁止)を始め、医療現場では自らの命を犠牲にして、働いている医療関係者がいます。また、ライフラインを守るために働いてる方々がおります。そして、それ以外でもそれぞれの人々が自分たちでできる限りの中でも世界の経済を回し、人々の暮らしを守ってきたのを覚えています。
 確かにメディアの中には将来に対して否定的な書き込み/誰かの失敗につけ込む非難が目立ちますが、我々が各人この1年間、いかなる形においてでも戦ってきたのであるなら、そのような卑怯な輩に惑わされずに、胸を張って新年を迎えましょう。最新では変異したウィールスも発見され、まだまだ来年もこの試練は続きそうですが、英国では、自国生産のゼネカ社のワクチンが1月初旬から使われ出します。これはすでに使われているものと違い、通常のチルド輸送が出来、一回のコストもコーヒー一杯分ほどだそうで、いよいよ我々の努力が実を結んできそうです。

 これを読まれる皆さんが良い年末と素晴らしい新年をお迎えくださるよう願います。

(以上)