2017年9月 1日 発行

連載コラム

第184号「むかし話 (2)」岩城生産システム研究所岩城 康智

 それから何年か経ち、利益率の良かった高価格品はその商品寿命を終えて、また収入としてはあまり大きくなく、いずれはこれらも本国では作られなくなった。
 また、極東での生産は順調で、今や会社の多くの部分の利益を出すようになり、これからも増加が見込まれるようになった。ただし、利点であった人件費は急速に高騰して、昔ほどの利益は出なくなっている。したがって、新しい高付加価値の新商品が必要となってきた。
 しかし、技術開発を中心に、本国での人材開発が思うように進まなくなり、新規の技術が開発出来なくなっている。また、少量多品種に対応する為に、商品の在庫量が増加、同時に物流コストが経営を圧迫し出している。
一方、本社機能においては、これらのコスト増加分を減らすべく人員整理を行った。
 物流管理:大手の物流会社に倉庫機能ごと外注。
 技術:ソフトウェアーはベンチャー会社に外注。
     設計は設計会社に外注。
     工程設計は製造機械会社に外注。
 品質:品質コンサルタント会社に外注。
 総務:日常業務は外注もしくは人材派遣。
 営業:販売会社を作って独立採算とし、営業員は人材派遣。

これらによって、見かけの利益は増大して、世の中でもこの会社は健全な会社と言われるようになった。

メデタシメデタシ??     (続く・・・・・)