第184号 | 「むかし話 (2)」 | 岩城生産システム研究所 | 岩城 康智 |
それから何年か経ち、利益率の良かった高価格品はその商品寿命を終えて、また収入としてはあまり大きくなく、いずれはこれらも本国では作られなくなった。
また、極東での生産は順調で、今や会社の多くの部分の利益を出すようになり、これからも増加が見込まれるようになった。ただし、利点であった人件費は急速に高騰して、昔ほどの利益は出なくなっている。したがって、新しい高付加価値の新商品が必要となってきた。
しかし、技術開発を中心に、本国での人材開発が思うように進まなくなり、新規の技術が開発出来なくなっている。また、少量多品種に対応する為に、商品の在庫量が増加、同時に物流コストが経営を圧迫し出している。
一方、本社機能においては、これらのコスト増加分を減らすべく人員整理を行った。
物流管理:大手の物流会社に倉庫機能ごと外注。
技術:ソフトウェアーはベンチャー会社に外注。
設計は設計会社に外注。
工程設計は製造機械会社に外注。
品質:品質コンサルタント会社に外注。
総務:日常業務は外注もしくは人材派遣。
営業:販売会社を作って独立採算とし、営業員は人材派遣。
これらによって、見かけの利益は増大して、世の中でもこの会社は健全な会社と言われるようになった。
メデタシメデタシ?? (続く・・・・・)