発行者 岩城生産システム研究所

 編集者 IPSインターナショナル
   平成24年9月1日発行 第156号
 ― 目 次 ― 

  
 連載コラム「社長の仕事は何ですか?」 岩城生産システム研究所 岩城 康智



「社長の仕事は何ですか?」

岩城生産システム研究所
代表取締役 岩城 康智

社長の仕事は何ですか?決算会議その他株主総会等をリードする事は、商法上定められている作業であり、これらは社長の仕事の中では最も重要な事の一つといえます。すなわち会社組織を含め、経営全般の責任を負っているという事になります。
 これを成功するためには会社内の全ての資源を一糸乱れる事なく統括し、会社の目標に向かって成果を日々積み上げてゆく事が必要となります。
 具体的に言うならば、会社の目標とは何か、数ある目標の中で何が最も優先されるべき物なのかは、社長の具体的な行動指針(中期管理目標)として掲げる事となり、それに向かって各部門のエキスパート(役員?部課長)が経営に参加するという形を経て実現するものといえます。
 このような組織の中で、社長に求められる職責は、現地現物で得られる生の情報をいかに分析し、世の中の動向を踏まえた上での将来の戦略を立てる事といえるのです。特に最近のような世界動向の中では、自社の蓄積された利点・強みを最大限に売り上げ拡大に結びつけるのか、またそのためにどのような具体的目標を中期管理目標として、描いてゆくのかが、最高の優先項目となるといえます。
 このようなプロセスの中で重要な役割を果たすのが、SCM推進チーム(経営革新活動チーム)となるのです。現地現物で得られた生の情報を明確に分かる情報として収集?分析し、QPRとして加工するのは偏に、社長の中期経営方針を具現化するために不可欠なプロセスといえるのです。このときに必要な情報は経理情報・人事情報・営業情報となるのですが、QPRとして設定するプロセスの中で、行動計画に結びつけやすい数値として再加工するのが重要なポイントです。
 実際には、各部署の職責に合わせた形で目標設定を行うため、実際の経営予算の数値以上の改善を求める場合があるのが現実です。
 ここからのSCMの活動は、各職場において問題点の抽出と見える化となりますが、この場合の問題点というのは、中期計画に対して毎週の進捗状況を各部署にて現地現物で確認するのが職務となり、いかなる遅延においても自ら挽回のために現場のチームの一員として汗を流す事が重要です。したがって、計画未達の部署においてはSCM担当が十分に機能していない事となり、これを支援し、早急に取り戻す活動を起こすのが本社SCM革新室の使命となるのです。
 ご存知のようにこのような時世ですので、売り上げが悪いので在庫が増える。経費が上がる。という話を聞くときがあるのですが、もう一度社長の仕事・SCMの仕事を見直してみてはいかがでしょうか。上記のような事が行われていれば、今こそチャンスと思えるはずです。今こそSCMが中心となって全社にわたっての行動を起こす時と思います。

    以下次号


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