発行者 岩城生産システム研究所

 編集者 IPSインターナショナル
   平成23年 3月1日発行 第133号
 ― 目 次 ― 

  
 連載コラム「出版を終わって」 岩城生産システム研究所 岩城 宏一



「出版を終わって」

岩城生産システム研究所
代表取締役 岩城 宏一

かねてからの懸案であった、生産現場の改革から経営全般への波及への必然性と、その具体的な進め方についての執筆が終了し、「物づくりが国を支える」の名称で、3月初旬出版の予定で、現在印刷製本作業が始まっている。今回は冬至書房からの出版社になるが、コーディネ―タと編集長が、私と同世代の70歳台で、本書の出版にお互いに意気投合し、少なからず使命感を持ちながら取り組んだ。
 内容の詳細は本書に譲るとして、通常の経営啓蒙書と異なり、私や多くの仲間達の、実際の経営革新の実践を通じて得た結果を取りこんだものである。「人の智恵と成長は無限」それを如何に経営活動に生かすかが主テーマであり、幾つかの独自な視点や、経営革新のための必要な事項が改革の手順に従い全体を網羅している。そのため、現状の低迷する経済界に一石を投じる結果になってほしいと願っている。
 但し事前に配慮しておきたいことは、生産現場はともかくとして、経営の内容まで立ち入って欲しくないというのが、各社の経営者の心情である。それは当然のことであり、私もそこまで立ち入る気は毛頭ない。ただ大切なことは、「人の智恵と成長」を経営活動に積極的に活かすことであり、そのために、現在の経営管理の仕方を変える必要があるということある。
 それは、現在行なわれている経営施策の内容を変えるのではなく、経営管理上の問題であり、即ち仕事を一々指示されなくても、皆が自己管理できるように「わかりやすく」「実行しやすい」ように、職場の環境を整備することである。
 環境整備の重要な柱は、会社の業務を定常、異常、改善に層別し、定常業務は標準化し仕組で維持し、異常と改善(改革)事項のみの管理で済むようにすることである。そのため最も労力を必要とするのが、今日まで我々が推進してきた、トヨタ生産方式移行による生産現場の標準化と仕組づくりである。
 さらに今回の出版を機に、この思想と具体的な手法を、広く世の物つくりの強化に役立たせるために、別紙案内のようなプログラムによる、研修会を立ち上げたいと思っている。積極的な参加を期待している。


以上


 バックナンバー
■無断複製・転用・販売を禁止します■
Copyright©Iwaki Production Systems Research Ltd. 2005-