発行者 岩城生産システム研究所

 編集者 IPSインターナショナル
   平成23年 2月15日発行 第132号
 ― 目 次 ― 

  
 連載コラム「春の訪れ」 岩城生産システム研究所 岩城 宏一



「春の訪れ」

岩城生産システム研究所
代表取締役 岩城 宏一

2月2日4時過ぎ、羽田より宮崎に向けて飛び立った。しかし火山灰のため、宮崎に着陸出来ずに鹿児島空港に 着陸した。そこより車で日南市に向かったが、途中 都城辺りから、火山の被害の大きさを直接体験することになっ た。

 TVで見るのとは大変な違いで、空や山々は白く霞み、マスク越しにやっと呼吸をし、足元は2〜3センチ積もった 火山灰で靴が真っ白になる有様であった。何時終わるか知れないこの環境の中で、ひたすら生産活し続けなけ ればならない、地元の人々の御苦労を案じながら、無事に翌日の指導会を終えた。

 火山灰の被害はさすがに関東までは及んではいないが、こちらは冬の雪と寒さは、例年に類を見ない程厳しいも のであった。さすがに立春を迎えると、その寒さも急に和らいできた。日曜日、久しぶりにデパートに出かけた。民 家の庭先には、早くも紅梅が小さな花を一杯咲かせ、いよいよ春の到来を肌に感じる。
 最近、ドライバーショット時の、落下点のボールが見えづらいとか、新聞やPCの文字の判読が難儀する等、視力 の低下を酷く感じるようになった。そのため、デパートの馴染みの眼鏡店で検眼してもらった。これも最近感じる諸 々の老化現象の一つであろうか、かつての視力をどうしても回復することは出来ない。

 また、目の前のTVでは、相撲力士達の八百長問題と春場所開催の中止が報じられている。八百長も人の老化も 、春の訪れも火山の噴火もまた、すべて自然界の摂理による。それを素直に容認し、その上で日々を精一杯に 生きるしかなさそうである。

 これまで長年の間に蓄積した経験を、残された体力を大切に生かしながら、また新たな春の芽ぶきに始まるこの 一年を、精一杯に生きていきたいと思う。目の前に山ほどの課題を持ち、それに立ち向かう多くの友に囲まれた 日々に感謝しながら、それらの課題を越えた世界を、楽しく思い描く。

 多くの皆さんが4月から新年度が始まる。これから新緑の春、夏、紅葉の秋、お正月と例年通り時は廻りくる。こ の一年間全力を投入するに値する大胆な目標を設定し、それをやりきり、充実した達成感をもって、本年度を全う して頂きたいものである。

以上


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