数万人規模の企業の組織活動を改革することは、大きな労力と時間を必要とする。この改革を机上で考えると、はじめから出来そうには思えない。しかし、実際に着手してみると、改善のための具体的な課題が、次々に目の前に広がる。それを、一つ一つ皆と一緒になって解決していくことは、決して大変なことでもなく、難しいことでもない。逆に楽しみなことである。
そのような活動を数年続けていると、自分達の現在が、かつての自分達とは、まったく違ったものになっているのに気がつく。振り返ってみると、良くこんなところまでこれたものだと驚き、またその達成感は格別である。
机上で考えると、とても出来そうにないことが、実際に着手してみると、いつの間にか出来てしまっている。このようなことは、私にとっては日常的に経験していることであり、至極当然のことである。
考えてみると、机上で物事を考える習性のある人でも10年間もの年月は、やはり10年の間を生きてきている。逆に机上ではなく、実際に行動する人についても、全く同じことである。要は、行動することを大変な事として回避しようとするか、逆に行動することは楽しい事として求めるかの違いである。それは、その人の性格的な違いによる、受け止め方の問題で、組織の改革は困難な問題にも、楽しみなことにもなる。
今我々にとって必要なことは、机上ではなく実際に行動することである。机上で物事考える性格は、生まれながらのものであろうか。その傾向は当然ありうるが、私の知る多くの場合、行動した経験がなく、その楽しさや充実感を知らない人達が、圧倒的に多いことである。当初は議論や言い訳のみで、少しも行動しなかった人達が、その80%は、今や、目を輝かせて行動の先頭に立っている。
現在では、今日まで自ら行動したことのない人達が、企業の中に溢れている。それは、行動することより学習に重きをおいている、現在の教育制度は、当然無視できない。しかし本来、人間は社会的な動物である。そのため、必ず自分以外の、人や物との交流を必要にする。行動することが、机上での物事の処理に比較し、如何に充実し刺激的な交流を体感できるかを、現在も人間はその体内に、しっかりと記憶しているように思う。
以上
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