発行者 岩城生産システム研究所

 編集者 IPSインターナショナル
   平成22年 2月 15日発行 第108号
 ― 目 次 ― 

  
 連載コラム「コンサルの成長」 岩城生産システム研究所 岩城 宏一



「コンサルの成長」

滑竢髏カ産システム研究所
代表取締役 岩城 宏一

会社勤めを止め、現在の経営コンサルを始めて以来、早くも10年が過ぎようとしている。その間、多くの人々との出会いに恵まれ、大変充実した月日を過ごすことが出来た。さすがに昨近は、体力の衰えを感じているが、これまでに増して、会社を良くすることへの情熱は盛んで、仲間達と切磋琢磨している。
 生産現場や会社の成長は、必ずそこで働いている人々の成長があり、その成長が、仕事の現場に投影されているのが見て取れる。恐らくこの経営革新活動の数年間に、関係者は、これまでの何十年間分の成長を、成し遂げたのではないだろうか。人の成長の為には、実際に行動することの大切さを、改めて思い知る。
 私にとっては、多くの人達との大変長い間の、お付き合いが続いている。しかし、少しもマンネリ化することなく、訪問のたびごとに新たな課題の発見があり、それに向かっての挑戦に駆り立てられる。今は同じ会社を訪問する機会は、数ヶ月ごとである。しかし、そのつど新鮮な気持ちで現場に立てる。このことは、その数カ月の間に、私も、自分自身を更新できているのではないかと思う。その変化が、皆さんとの関係を新鮮なものにしてくれていることは、間違いなさそうである。
 振り返ってみると、私自身もこの10年間に、随分変化してきていることに気づく。特にトヨタ生産方式を中心にした、経営革新の分野での変化を顧みると、生産現場、製品開発、人事労務、経営管理等の輪郭及び改革改善内容の認識、さらに各々相互の関係についての認識が、明らかに深まってきているように思う。これらは、当然皆さんとの強い会社づくりの活動の中から会得したものである。また、それは当然強い会社づくりの為の貴重な、体験の蓄積でもあるだろう。
 コンサルがその仕事を継続するための最大の条件は、常に自己改革と成長が必要であるように思う。そのための、最も効果的な場は、日々の仕事の現場での、問題の挑戦と多くのクライアントの接触である。しかもクライアント達は、目を輝かせながら、自らの日々を更新し続けている。その様々な体験との出会いに、常に新鮮なものを感じる。それは、驚きや感動であり、また、時には失望もある。それが、一生懸命に生きている本来の人間の生活そのものであろう。
 元気でこの仕事をつづけられることは、他ならぬ自分自身の人生を、全うすることにほかならない。皆さんに感謝の日々である。
                                                              (以上)


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