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発行者 岩城生産システム研究所 編集者 IPSインターナショナル |
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平成21年6月1日発行 第091号 | ||||
― 目 次 ― | ||||
◆ 「生産革新を成功に導くためにA」 岩城生産システム研究所 岩城 宏一 |
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滑竢髏カ産システム研究所 代表取締役 岩城 宏一 |
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成功のためには経営者のリーダシップは必要不可欠である 経営者の任務を全うできない経営者を輩出する背景には、人材の登用の仕方と、その後の任務の付与の仕方に問題があるように思う。登用の動機は、予定される任務に対し、最適者が選抜、登用されるのが本来の姿である。しかし実態は、“程ほどであれば誰でも良い”“年齢が優先”“運の良い人”等々、理想とはまったくかけ離れた人事が、平然と行なわれている。 それは、任命者の責任は当然問題であるが、それが容認されている背景にある、会社内の危機感の欠如と意欲的な経営活動の消滅は、人事ばかりではなく、会社業務総ての取組みに波及しており、より深刻な問題である。 目の前の、このような深刻な問題に対し、多くの人々が“仕方がないものとし、それほどの問題意識をもつことなく、また行動を起こそうともしない。この状態にたいする問題意識と行動は、その人の直感的な状況把握から始まる。人の鋭敏な感性に基づく直感力と行動力は、変革をリードする上で欠ぐことの出来ない重要な要素であろう。 感性は多くの論文やパワーポイントの情報を、瞬時に感じとり、自分のとるべき行動を正しく選択する。これは、人間の持つ重要な能力の一つである。現在の教育制度は、本人の個性と感性を画一的な知識に置き換え、それらを損なう一面を持っている。 企業にはいろいろな業務があり、それに適したいろいろな才能を必要としている。しかし、これらの多様な業務も、維持と改革に大別することができ、その協合の中で組織は機能している。経営者が担当する業務は、維持より改革的な能力をより必要とする。 採用時の選抜の基準は、即ち“成績の良い人”ことにある。またこの基準は採用時のみならず、在籍中を通し公式な唯一の評価基準として、長く企業内に残存している。役職登用等の、大切な節目でいろいろな形で影響している。 これらの“成績の良い人”達は、維持業務を手際よく処理する。しかし、改善改革時は、逆に反対勢力になることさえある。そのような人達ばかりでは、会社組織は機能しない。 このような“成績の良いこと”にウエイトをおいた評価基準の残存は、社内の感性を阻害しつづけ、改革より維持に赴きをおいた組織を醸成する。人材に対する正しい評価基準は、組織の活性化上重要な影響力を持ち、その基準は、会社の新たな活動の展開に伴い、必要とされる人の能力開発を促進するものでなくてはならない。 経営者の役割は、経営上の企画を行い、それに向かって配下の組織の育成と統括することである。その任務を担うに最適な人材を登用しなければならない。人の能力を必要としない環境は、人は育たない。またそればかりではなく、既存の能力を衰退させ組織の運営を混乱させる一因にさえなる。 以下次号 |
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