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発行者 岩城生産システム研究所 編集者 IPSインターナショナル |
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平成21年4月15日発行 第088号 | ||||
― 目 次 ― | ||||
◆ 「インドのコインバトールへの旅」 岩城生産システム研究所 岩城 宏一 |
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滑竢髏カ産システム研究所 代表取締役 岩城 宏一 |
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知人の紹介で、インドのコインバートルにある企業に出かけた。その紹介者の話によると、ドイツ人のコンサルによって、トヨタ生産方式の指導を受けていたそうだ。 しかし最近そのコンサルがやめた為、指導をして欲しいと言う事であった。 私にとっては、遠いいインドまで出掛けて、コンサル業を営む意欲はなかった。 しかし、これからの世界の製造業を担うであろう、インドの産業の一端を知りたいと思いに駆られ、4月の第一週を費やし出掛けることにした。 |
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シンガポールで乗り継ぎ、現地の真夜中の12時ごろに空港に着いた。 最近見慣れた中国の近代化された空港やホテルと異なり、いずれも大変質素である。 翌朝9時、ホテルから工場に向かう。 雑踏する旧来の街の中を通る舗装道路をしばらく走り 急に右折して、土塀と緑に囲われた門を通り工場の構内にはいる。 景色は辺りとは一変する。 構内の建物や並木はきれいに整備され、ごみ一つも見当たらない。 その工場は、創業以来約40年の歴史を持ち、インドでも名門の一つであることが伺われる。 |
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玄関奥の受付を通り会議室に通された。 そこには、社長以下30名近い幹部が待っている。 確かに顔立ちや体格は我々東洋人とは異なるインドの人々である。 しかし、ドアー開けた瞬間、久しぶり会う旧来の友のような、好意と親しみに溢れた眼差に、初対面の堅苦しい雰囲気が一瞬に和む。 一応の挨拶を行ない、いつもの指導会のように、皆と連れ立って生産現場に向かう。 この工場は、道路工事現場で良く見かける小型のコンプレサーから、トロリーに積載されたエンジン付の大型なものまで生産している。 またこれらに使用される空気圧搾のための、ピストンや大型のスクリュー等の主要な部品の殆どを内製加工している。 また、それらを加工するための、大型の工作機械の多くが、インド製であるには少々驚いた。 工場の全般的な管理状態は予想以上の水準で、ほぼ日本の国内工場並である。 しかし、今後広く世界の市場へ進出するためには、品質管理、設備保全、人事等の個々の管理面での、さらなる改善の必要性を感じた。 今回の旅の目的でもある、生産をトヨタ式に変えるためには、これまで手がけた多くの工場のように、すべてこれからであり、数年の期間と多くの改善努力を必要とするであろう。 同じようにその成果も、生産性、在庫、品質等主要な項目につき、確実に三倍以上の改善効果を期待できる。 またこの会社の人々は、その完遂に必要な、熱意や能力を十分持っているように思う。 特に他の諸国に比較し、管理者と作業者間に無用な上下の関係がなく、一体となり融合していのを感じる。このとは、トヨタ生産方式の展開上の重要な風土となるであろう。 (以下次号) |
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