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発行者 岩城生産システム研究所 編集者 IPSインターナショナル |
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平成21年3月1日発行 第085号 | ||||
― 目 次 ― | ||||
◆ 「危機を乗り越え企業の明日を開く」 岩城生産システム研究所 岩城 宏一 |
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滑竢髏カ産システム研究所 代表取締役 岩城 宏一 |
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現在は例外なく、これまでに類を見ない程の深刻な状況下で、世界中の人々がもがき苦しんでいる。その様な中で、“ピンチをチャンスとして生かす”という言葉を良く聞きます。しかし、このことを本当に実行している会社は、極めて少ないように思います。幸い私の知る多くの会社では、今日の状況を社内全域への危機感の浸透の徹底に生かし、ひるむことなく、本格的な企業体質の強化を加速させています。 このような時期には、体力のない会社が生きのびるのは、いずれにしても大変であります。しかし人間と同じで、体力がなくてもこの危機の本質を掴み、機敏に行動すれば、幾らでもピンチをしのぐことは出来るものです。 駄目な会社の典型的な例は、急に社内の電灯を消したり、残業費や交通費等の、横ならび的な経費削減に終始して、難局突破のたに本当に効果的な行動を、起こさない(むしろ起こせない)で、ただ景気の回復を待つのみでという会社であります。皆さんの会社は如何ですか? このような会社の多くは、日頃から改善活動になじんでいないためで、この時期に“何をすれば良いのか判らない”“判っても、“誰も行動できない”というのが実情でしよう。 資金力に余裕のない会社は豊かな会社に比較し、当然このような不況時は苦しく、ダメージを受けます。 しかし、前述したように対応次第では、必ず生き残る道はあるものです。私はその様な例を沢山見てきました。要は生きる道をつかみ、その実現に向かって、全員で積極果敢にチャレンジすることです。 その様な会社で、倒産した企業を見たこともありません。それどころ、このピンチを凌ぐことにより、社内の一体感は強まり、さらなる発展の重要なきっかけになっている例が多いのです。これこそまさに、“ピンチをチャンスに生かす”であります。 大切なことは、このような効果的な行動を、どうしたら起こすことが出来るかであります。言うまでもなく、その場になって急に号令をかけても、そう簡単には動きません。改善活動が日常的に行なわれていれば、その時に必要な改善活動は、日頃の活動の延長線上にあるため実行出来るのです。 即ち“何をどのレベルまで改善しなければならないか?”また “誰がどのようなやり方で、いつまで改善するのか”等の、実際に行動するための条件が、常に把握されているからであります。 今回のような危機に対しての実際の行動は、即効性が求められます。その主要な例をあげると、先ず、予定している「正確な流れを作る」の改善を繰り上げ、標準手持をさらに削減する。それによってたな卸し資産を半減し、キャシュフローの改善によって、売り上げの減少を補います。 このように、単なる在庫や停滞品ではなく、標準手持ちの削減を改善対象にすることは、大変レベルの高い改善である。そのたな卸し回転率は年40回転以上になる。これは、この活動に参加している人達にとては、ごく当たり前のことでありますが、通常の場合ではこれは驚異的であります。 この改善の効果は、キャシュフローの改善に留まらない。そのために、これを先行するわけであります。即ち、標準手持ちの削減は、そこで働いている人達の連携「ジャスインタイム」(同期)の精度をあげ、会社全体の動きが一段と良くなるということであります。 また、このことは管理しなくても、皆が自発的「自働的」に仕事が出来る状況をつくります。それを前提に、さらにいろいろな施策を講じることが出来ます。その二、三の例を挙げます。 (以下次号) |
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