発行者 岩城生産システム研究所

編集者 IPSインターナショナル
   平成20年1月1日発行 第057号
 ― 目 次 ― 

   「謹賀新年」 岩城生産システム研究所 岩城 宏一

   「ゴルフとTPS」 富士通インテグレーテッドマイクロテクノロジ 長谷川 良人 様

  
 「開発革新活動の取組み 具体例(2)標準化による効率化」 岩城生産システム研究所 今井 嘉文



  「 謹 賀 新 年 」

 皆さん明けましておめでとございます。私共スタッフ一同、昨年中は大変お世話になりました。厚く御礼申し上げます。本年も相変わらず、ご指導ご鞭撻の程をお願い致します。
 皆様に置きましては、今日までの継続的な改善の上に、今年はさらに改善の積み重ねが進み、ものつくり体質の強化が、飛躍的に進むことを確信しております。皆様の一層のご活躍を期待致します。


                                     平成20年元旦

                                     株式会社岩城生産システム研究所 代表取締役 岩城 宏一






 「ゴルフとTPS」

富士通インテグレーテッドマイクロテクノロジ株式会社 会津工場  長谷川 良人 様


 私は、半導体の後工程で日々TPSに取り組んでいます。
現在の目標は、「試験工程の正確な流れを作ること」です。
 指導会での事です。
岩城先生から『ゆっくり歩いてみて下さい。』と言われ歩いてみました。
自分ではゆっくり歩いているつもりでも先生からはもっとゆっくり、もっとゆっくり歩いてごらんとの指導・・・なんと苦痛なことか・・・。
その後、『次は普通に歩いてごらん。』との指導・・・。
『おー普通に歩くことがなんと楽な事か、そうか作業者も一定のリズムで作業できるようにしくみを作れば、もっと楽になるんだ』と実感しました。
 最近、3年ぶりにゴルフコースにでました。コースを進んで行くにつれて、『あれ?これってフルワーク?』と感じました。
ゴルフでかんばんは使いませんが、ルールが徹底されており、前の組がホールアウトしなければ、グリーンめがけて打ち込むことはありません。
つまり押し込みはないのです。ティショットもそうです。前の組が安全な場所まで進んでなければ、打ちません。前の組がホールアウトすれば次の組が進む仕組みはまさにフルワークではないか?と思いました。
 予約時もそうです。1日の処理能力をちゃんと把握しているので、予定数オーバーの場合は、ちゃんと断ります。これは、『能力を考慮した、生産計画』です。
そして順番どおりに、一組が前に進んだら次がスタート。そうやって、無理に押し込まない・・・まさにTPSです。
 トラブル発生時もTPSの考えとつながります。
林の中や池ポチャのロストボール等のとき、あせって原因を省みず打ち直すと深みにはまり悲惨な結果になって行きます。
なぜ、ボールが曲がったか冷静に自分のショットの狂いの本質を見極めて対処すれば、良い結果になる確率も高くなります。(なぜなぜ5回?)
さらに標準作業で同じスイングがコンスタントに出来れば、スコアが安定し、短い時間でホールアウトできます。
 ライン(グループ化)もゴルフもまだまだですが、TPSの思想を取り入れ、仕事もゴルフも楽しみたいと思います。


以上




 「開発革新活動の取組み 具体例(2)標準化による効率化」
岩城生産システム研究所 今井 嘉文



開発革新の進め方の切り口として「マネジメントを主体とした改善活動」の (1)新製品開発の業務体系の整備に続き、今回は(2)標準化による開発の効率化について、具体的活動の実施例を挙げて行きたい。

.標準化による開発効率の改善
 新製品開発の業務体系フローに基づき、自律的に各部門が機能するようにそれぞれの仕事の仕方を整理し、開発効率を上げることが重要である。そのためには、各プロセスで各人・各組織が自律的に働くための基準となる標準化すなわち技術標準が必要である。どこの会社も現在運用している技術標準を持っているので、まず開発・設計・評価関連の規定・基準類に的を絞り全体の体系図をまとめてから、整理・見直しのターゲットの絞り込みを行うことにした。
 技術標準としては「技術管理標準」「設計標準」「試験標準」とあるが、その一つである「技術管理標準」は技術関連の組織の維持運用を標準化することがねらいであり、その一例として、前述の新製品開発業務体系フローをまとめたものが新製品展開規定である。開発プロセスの進行に伴い、営業・営業企画→製品企画→開発・設計→生管・生技→製造といったように、責任部署が移行していく仕事の流れを定め、各プロセスで各部門がやるべきことを明確にしている
 次に「設計標準」「試験標準」の整備のねらいは、今まで培ってきた固有技術と開発・設計段階での品質のつくりこみを行う仕組み・ノウハウを蓄積し、みんなで使えるように共有化することであり、使う人が使いやすい情報共有の仕組みをつくることである。今まで蓄積した標準類が膨大であり古くなって使えない標準、内容が不備でその都度個人判断が必要となるような標準が多々あることから、大事なことは標準類の絞り込みをし必要な技術情報が、瞬時にわかりやすく検索できる仕組みを構築することである。使う人のニーズをしっかりつかみ、どのような使い方をしたいのか、使いやすさの見極めも重要である。また従来技術をキチンと標準化に落とし込んでおくことで新規点・変更点について重点的に時間がかけられることになり、設計・評価の効率化が図れる。
 整備にあたっては設計標準・試験標準を分類・体系化し、よく使う標準と使用頻度の低い標準の分類を行う。また各標準の内容も精査し、誰でも同じように使えるように見直し・整備する。各標準の検索はIT化し設計サポートツール化するなどし、膨大な技術標準を瞬時に使えるよう工夫が必要である
 また技術標準通りに日常の設計・評価の仕事がやられているか、新規点・変更点はどこか、上位者がチェックできる仕事の仕組みづくりや技術標準の改廃管理をする仕組みづくりも非常に大切であり、それぞれの標準化と併せて取り組んで行かなければならない


つづく


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