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発行者 岩城生産システム研究所 編集者 IPSインターナショナル |
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平成19年10月15日発行 第052号 | |||
― 目 次 ― | |||
◆ 「私の考えるTPSの概念」 富士通 葛西 則明 様 ◆ 「コンサルタントのひとりごと 〜全員参加による経営活動の薦め32」 岩城生産システム研究所 岩城 宏一 |
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富士通株式会社 岩手工場 デバ技試験 葛西 則明 様 |
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試験部門での生産革新担当としてチームを組んで3年間やってきた。現場にTPSの考えを少しでも理解してもらいたく、全員対象に何度か教育を実施しており、最近のヒット作(自画自賛)を紹介する。 【レジの並び方はTPSの基本が詰まっている。】 TPSで出たアイデアを形にする為に、たまにショッピングセンターに足を運ぶことがある。最近は、食料品専用のレジは無く、ペットフードから、家電、洋服、雑貨、工具にいたるまで同じレジに並ぶのが当たり前である。そこで見た光景は、まさにTPSの基本が詰まっていた。夕方5時をすぎる頃には、レジにカート一杯に食料品を詰め込んだオバ様たちが並んでいる。その列にカゴも持たずにパーツ1個を買うために加わるのはどう考えても時間の浪費。どうすれば早くレジを通過出来るか考える事になる。その条件は以下の3つである。 |
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1. レジに並んでいる人数が少ない列を選ぶ。 2. カートに入れられた食料品の総量が少ない列を選ぶ。 3. ベテランのレジ係りの列に並ぶ。 上記1.2は誰もが反射的に行動しているようだが、3番目の条件を見極めるにはレジ係の「手さばき」の観察が必要である。(何度も通っていると「このレジ係りは早い」と判る) さて、このレジの並び方について見方を少し変えるとこうなる。 「人数が少ない列」→「処理前に仕掛りがあると待たされるが少ないと早い」 「総量が少ない列」→「ロットサイズは大口よりも小口の方が早い」 「ベテランのレジ係」(手さばき)→「”ながら作業”が出来ると処理が早い」 |
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何と、TPSの教えと同じではないか、カートに乗った食料品(列に並ぶ客そのもの)が自分だと思えば良いわけで、決してショッピングセンターのオーナーになって大型カートを採用して、お客が長蛇の列を作って並んでいるのは儲かっている証拠だとは思わないことである。 この例を仕事に当てはめると、自分の都合で製品を処理するのは間違った(現在には適していない)考 えであり、スピードが最も重要であると再認識させられる。(レジに並ぶ客は製品に置き換えられる。ショッピングセンターのオーナーはこれを読んでいる皆さんであり、レジに並ぶ客の気持ちを考えて仕事しなければならない) 例外として前に並んでいる客が支払いにモタモタする(小銭の前準備)や、領収書の要求(これは最悪で男性客が多い)、バーコードが読めない(冷凍食品が読み取り辛い)などが発生すると、隣のレジに自分よりも後から並んだ客に先を越されてしまうときがある。これらの突発的事態もよく観察しているとわかるようになりレジの並び方の条件に加える事になる。最近はマイバッグ(エコバッグ)持参でカゴからポリ袋に詰め替える手間が省けている。これも仕事に活かせるアイデアが詰まっている。*「応用問題」が解けるようになれば本物。 以上 |
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岩城生産システム研究所 岩城 宏一 | |||
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