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発行者 岩城生産システム研究所 編集者 IPSインターナショナル |
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平成19年08月15日発行 第048号 | |||
― 目 次 ― | |||
◆ 「コンサルタントのひとりごと 〜全員参加による経営活動の薦め28」 岩城生産システム研究所 岩城 宏一 |
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滑竢髏カ産システム研究所 岩城 宏一 | |||
― 全員参加による経営活動の薦め28― 購買部門の改革 購買部門の役割は、会社で必要とする品物の購入を担当し、購入するにあたっては、相見積もり等により出来るだけ安く、また少しでも多くの部品を倉庫へ貯蔵し、欠品しないように、立ち回っているのが一般的であろう。 しかし中期経営計画を基軸として、営業、開発、生産部門が整備されてくると、購買部門の役割も非常にはっきりしてくる。即ち中期経営計画の中の“出るを制す”の必要資材の購入費の削減と、“入りをはかる”の新製品開発の原価企画の活動に位置づけされ、これに関係する部署との密接な連携のもとに、企画値の実現を図る。 具体的には、“出るを制す”においては、設計部門と連動し、VA、VE等によって原価を改善する。また生産部門及び発注先と連携し、少量多品種や複雑な部品を発注先から内部への取込み、また運送便の定時定ルート化、生産の平準化を行い、発注量の安定化を図る。これらによって、発注先も含む実質的な総原価の改善を行う。 通常の、複数のサプライヤー群から相見積もりによる価格決定や、部品倉庫への貯蔵は、それ自体の維持管理に膨大なコストの発生を伴っているため、その仕組みを壊し、新たな仕組みを作り機能化することが、先ず購買部門が取り組まなければならない重要な仕事である。 このように業務の基本的な改革の必要性は、中期経営計画を軸にして、関係部署との密接な連携を確立するために、より確実で、より効果的な業務の実行が、求められていることによる。 例えば、購入価格については、これまでは相見積もりなどにより、少しでも安価であれば容認されたことが、“出を制する”の項では、そこで設定された原価改善目標を、また“入りを図る”の項での、新製品の原価企画値を達成するが求められる。このことは“より廉く”ではなく、“会社が必要とする価格”で買うということである。 また、デリバリーについては、欠品さえなければ良いという発想から、合理的な生産活動の基礎となる、生産の平準化に必要なレベルに、ジャストインに部品を繋がなければならない。 品質については、従来は品質管理部門または部品の発注先の責任として、購買部門は、その責任を直接分担することはなかった。しかし全員参加の経営では、経営計画で求められる品質水準の実現と維持は、完全に購買部門の責任下にあり、そのために、関係部署と連携して、必要な品質改善活動を行はなければならない。 以上のように、購買部門の役割は、現状の中でより安価に欠品しないように資材を購入することから、会社が必要とする水準の価格、品質、デリバリーで調達することに変る。 このように、設定された目標値の実現に対する厳しい要請は、購買部門が計画どおりの結果をあげることを前提に、関連する他の部署が、自らの業務を組み立て、それを基にた会社全体の組織活動が成立しているためである。 当然会社が必要と目標値の水準は、現状で対応できる範囲を超えるのが常である。そのために、従来のように事務所で、発注先の客を向かえて折衝に終始するのではなく、必要とする原価、品質、デリバリーを実現するための、改善活動を自ら主導し、関連部署と連携しながら行動することが求められている。 (以下次号) |
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