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発行者 岩城生産システム研究所 編集者 IPSインターナショナル |
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平成19年06月01日発行 第043号 | |||
― 目 次 ― | |||
◆ 「トヨタ生産方式との出会いと活動」 しなの富士通 池田 甚平 様 ◆ 「コンサルタントのひとりごと 〜全員参加による経営活動の薦め23」 岩城生産システム研究所 岩城 宏一 |
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株式会社しなの富士通 第一製造部 第二製造課 モールド工場 池田 甚平 様 |
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私は鰍オなの富士通にて、モールド部品成型を担当しております。 2002年から岩城 先生、松岡 先生にご指導頂いておりますが、当初はトヨタ生産方式って…???、「かんばん」って…???と言う戸惑いを感じながら生産革新運動がスタートしました。 最初に『【ジャストインタイム】必要な物を/必要な時に/必要なだけ作り/工程間の仕掛在庫を最小に抑える、その為に「段取り時間の削減」と「段取り回数のアップ」に取り組みなさい』とご指導を頂き、皆でとにかく『現場観察からだぁ!!』とオペレーターの作業を観察し「ムダ」と感じる作業を各自書き出し、オペレータには各作業工程の分析を行うための段取り時間をつけるようにしました。 そして、「ムダ取り」「作業改善」を皆で考え試行錯誤して改善活動を繰り返す中で改善の楽しみが生まれ、皆の意識が変わっていき色々なアイデアが出てくるようになり、活動の開始当初の段取り替えの実力は約70分、月に数百回程度であったのが、今では10分台、約千回まで改善することが出来ました(残念ながらまだシングルではありませんが、めざすは当然!)。 この活動と平行して『【小ロット】物を小さく細かく作りなさい。 物を小さく作ることによって仕事が【楽】になる。』と言うご指導を頂きました。 『楽になるって・・・?』 最初は意味が分からずにただロットを小さくしましたが、逆に仕事は【苦】になり現場からは嘆きの声が・・・、『どうしよう・・』と壁にぶち当たってしまいました。 そんな時も仲間上司と話し合いを行い、段取りの実力に合わせた標準手持ち量の設定を行い、ムリはせず、小さな変化を積み重ね大きな変化を成し遂げようと皆で頑張りました。 その結果、以前は大きく(長く)作る方が数量も上がり楽だと思っていたことが、実は必要以上の物を作る事によってオペレーターから時間を奪ってしまっていたこと、また大きく作ることで作業が振られてしまうと言うことに気が付きました。 |
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『これが【平準化】だ!作業にムラが有ると仕事が大変になるんだ』と言うことが分かりましたが、次に作業が振られないよう平準化するには自部門だけじゃ駄目だと言うことになりました。 後工程と協力しなければいけないと言うことで後工程の人達といろいろ話をしてみると、今のロットサイズでは平準で引いてもらうことが出来ないことが分かってきました。 それは、ロットサイズが大きいために引きにムラが出てしまうと言うことで、この問題を解決するために【小ロット】部品を小さく細かく作り、後工程の引きのムラをなくし、平準化で部品が引かれるようにすることが必要で、その結果 自分達が平準で物が作れ作業のムラが無くなり仕事が【楽】になると言うことに気づいた訳です。 改善当初 平均 1,000個であったロットサイズが今は 半分以下となり、小ロット化が進むにつれ作業のムラもなくなり、段取り替えの回数も 大幅に増えました。 今後は、生産をパターン化し後工程との流れを更に強いものに平準化生産を推進していきたいと思います。 |
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次のテーマとして頂いたのがニンベンの付いた【自働化】でした。 『異常を発見したら、自ら止まる仕組みを作りなさい』と言う先生の指導は、話を聞いてなるほどなと思いました。 私達の今まで物作りは、生産性を上げるためと考えてどの機械でも作れるよう汎用性をもたせ、大きく作り、後で検査していたため、不良が出ると大量の不良作ってしまうことになりました。 それではトヨタ生産方式は成り立たないということ、決められた設備で、決められた加工条件で物を作り、オペレーターが1個作った所で自ら検査をし、異常な時は止まる仕組みを作らなければ平準化生産はあり得ないと感じました。 現在その仕組みを作るために先生にご指導を受けながら、金型や設備の保全も含め改善活動の取り組みを行っているところです。 『後工程に不良を流さない』を目標に改善活動を頑張っておりますが、更なる目標として岩城 先生が今年初めの指導会で述べられた『この金型でこの設備でこの加工条件」で作れば良品とわかるようになれば楽だ』を実現したいと考えます。 以前だったら『そんなの当たり前だ・・』と思うだけでした、今はその当たり前が出来るようにならなければいけないと感じるようになりました。 そして、作った部品が100%良品で、ストアから引かれた数時間後には次のロットの部品が補充できるよう仲間、関係部門と協力し頑張りたいと思います。 また、他にも【標準作業】などのキーワードが多々有りますが、今までは『○○○って・・・何?』と思うことが多かったのですが、最近やっと先生方のおっしゃってることが少しずつではありますがその場で理解できるようになってきたので、仲間達とキーワードについて改善活動を進め【ジャストインタイム】、【平準化】、【自働化】の三本柱がもっと太くシッカリしたものになるよう頑張っていきたいと思います。 以上 |
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岩城生産システム研究所 岩城 宏一 | |||
― 全員参加による経営活動の薦め23― 以上述べたように、全部署の参加による新製品開発は、会社の中期経営計画に連動して、新製品が企画開発されて、旧品が新しい製品に置き換えられる。このことによって、会社の経営が更新され、持続されていくことになる。 このように、経営を更新し長期にわたり持続、安定を可能にする循環の条件として、それに関係する各業務の改革が必要になってくる。以下にその主要な点について述べる。 各業務の改革整備の起点は、新製品展開フローに位置づけされた、各会議体に提出する審議資料の作成に始まる。一般的な各種の会議に提出される資料は、そのつど、まちまちであり、その説明を聞くだけでも多くの時間が取られ、実質的な審議や意思伝達が十分行われないままになりがちである。 しかし、新製品開発に関する各会議は、新製品展開の流れの中に位置づけされているため、本来その会議の目的が明確であり、また新製品が企画されるごとに繰り返される為、そこで審議される項目や内容等が定まってくる。その結果各会議に提出される書類は、関係部署ごとに標準化、ホーマット化進んでくる。このことは、各会議における意見交換や審議を、効率的に進めるばかりではなく、過去の失敗や成功の経験をホーマットに取り込むことができる。 即ち、このように、審議資料をホーマット化することにより、関係部署との連携を蜜にするばかりではなく、過去の経験を生かし、新製品展開時におけるいろいろなリスクを、効率よくさけることが可能になる。 さらに大切なことは、前述の各会議を効果的に進行するために提出する資料の作成、即ちホーマットの各項目を埋めることが、新製品展開時、各部署にとって優先的に処理しなければならない仕事になる。このことは各部署の仕事の仕方に大きな変化もたらす。 まず普通は、個々の仕事の優先度は必ずしもはっきりしていない為、かなりの自由度をもって各自の判断にゆだねられている場合が多い。しかし全体の進行日程によって設定された会議の日程は、各関係部署が連携する上での重要な遵守事項になっているため、それによって各関係部署の仕事の進度が管理されることになる。さらに必要とされる仕事内容(即ち項目と完成度)も、設定されたホーマットによって、一段とはっきりしてくる。 これらの変化は、従来の各自の判断にゆだね勝ちであった仕事を、新製品開発に関する全体の仕事を円滑に行うために、各関係部署の相互の関係を基軸に、個々の仕事の仕方を大きく変えることに他ならない。即ち部分最適から全体最適に向かって、優先的に業務を遂行していくことになる。 このように、新製品開発に関する展開業務のフレームが明らかになってくると、そのフレームの中での個々の仕事が、決められた日程通りに仕上げることが出来るかが問題になってくる。通常は各々仕事が日程通りにあがらないために、いろいろな問題が発生している。 (以下次号) |
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