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発行者 株式会社岩城生産システム研究所 編集者 有限会社IPSインターナショナル |
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平成18年12月15日発行 第032号 | ||
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「岩城生産システム研究所NEWS」第32号を発行させていただきます。 今回はNECパーソナルプロダクツ・吉川 様及び、弊社・岩城 宏一のコラム「全員参加による経営活動の薦め12」を掲載させて いただきます。 今年もあと残り僅かとなってきました。本年も皆様方には大変お世話になり、どうも有難うございました。 来年もどうぞ宜しくお願い申し上げます。 なお、当社事務所は12月29日(金)より1月4日(木)まで年末年始休業とさせていただきますので、ご了承お願い致します。 業務部 |
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NECパーソナルプロダクツ梶@ プリンター事業部生産 吉川 茂美 様 | ||
私達の職場での生産革新活動は、約7年前にさかのぼります。ある一人の先輩が「やって見てから考えろ」で、ドットプリンタ 生産の一人完結型から始まった。その頃は、2〜3人で活動していたと記憶しています。 その頃は、私は外から見るだけで「何をやってんだべ」毎日遅くまで大変だな~と他人事。しかし、活動が進む中で私自身の心 の奥に「面白そうだな、俺もやって見たいな〜」に変化し、自分にとって生産革新へ踏み出すきっかけとなった。それから約1年が 経過、岩城先生指導会が始まった。 まず最初は、今までの生産に対する自分自身の「改革」が必要であった。例えばバッヂ処理は、「何で悪いの」「必要分だけ作 っているのに」「休んだら誰がするの」と反発が先に立った時期もありました。 しかし、改善活動を行う中で、ある出来事があった。古い時代遅れのオートメーション設備があった。長さ3500mm 幅500oで 場所を取り、2時間も使用すれば1日分が終了する。その設備から1個流しの出来る部分のみ取り出し、半分の大きさに自作で 改造した上司がいた。出来上がった設備を観て「すごい」と感動したことを憶えている。 生産革新活動が始まって以来、私にとって今まで活動してきた成果を発揮する場が与えられた。海外生産機種の内製化で、 初めての海外出張、うれしい反面、内製化後の目標工数は50%減、「でぎっぺがな」と不安になりました。 海外での生産拠点の生産方法は、形に違いはあるが生産革新を開始する前の当職場と変わらないように思った。 帰国後、ライン構想から入り2機種MIX化の検討、生産台数によるタクトタイムを算出しライン長さを決定、また、開発部門に 依頼し、ネジの種類を極力減らしネジトルクの見直しを行いドライバーを削減、製品の作りこみ品質を重視、SubAssyについては インライン出来るものは最初から行った。 結果は「結構いいんじゃない」と自分で思い込み。岩城先生指導会で、「長いね!3mは間締めできるね」の言葉に「えー」と心 で思い、口では「はい」と答えていました。 この改善活動においては自分ひとりでは難しく、グループ員や各部門の協力をもらい、ラインを立上げすることができ、現在では このラインの外だし作業はゼロになった。 改善活動においてはこんな失敗もあった。4時間かけて治具の設置を行った改善が、次の日には跡形も無く元に戻っていた。 「やっと無い知恵搾り出してやったのに」だが、作業者にとってみれば説明も無く一方的に変更され、さらに作業がしづらくなって いた。 自分では良いと思って改善した筈なのに、実際はその工程の前後を見逃し、実際の作業者の気持ちに立って観ていなかった。 この改善を通じていろいろな反省すべき点を悟り、失敗した経験を今後の活動に生かす事が大事だと思っています。 今まで、いろんな改善を行ってきて、いろんな人の知恵をもらい、また、知識、工夫をもらった事が自分自身の活動において役 立っており、今後も楽しく、時には悩み、スピードをもって「やってみてから考えろ」の言葉に「まず、できる事からやっぺ」をプラス して改善活動を続けて行きたいと思います。 以上 |
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滑竢髏カ産システム研究所 岩城 宏一 | ||
― 全員参加による経営活動の薦め12― |
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現在の多くの企業の問題点は、これまで幾度も指摘してきたように、そこで働いている人達が、力いっぱい働けていないという ことであります。そしてその問題が“皆が働こうとしない”からということで片付けられ、多くの場合それがなおざりにされています。 しかし、実際は“皆が働こうとしない”のではなく、その会社の仕事の仕方に問題があるため、皆が思うようには働けていないの が真相です。 その問題点は、次の三点に集約されるでしょう。 先ず第一は「今何をしなければならないかはっきりしていない、また判っても、その仕事を何故今しなければならないのか理解 できていない。」第二は、「判っているがまわりが同調してくれないので実行出来ない」「仕事をしてもそれに対して、適切な反応 が誰からもない」などであります。もし職場または会社の中で、いつもこのような三点がきちんと出来ていたら、人々はもっと気持 ちよく、生き生きと働くことができるでしょう。 したがって、経営革新の焦点は、今自分がしなければならない仕事が判り、しかもそれが実行でき、さらにはその働きに的確 にレスポンスするような経営に転換することにあります。 では実際の職場ではどのようになっているのでしょうか。 それは職種によってかなりの違いが見られます。生産現場や間接 部門の日常的に繰り返しのある定形的な業務では、仕事は比較的判りやすくなっている場合が多いが、それ以外の職場では、 仕事の名称は決まっているが、実際の中身は殆ど担当者まかせになっている場合が多いように思います。 例えば、毎月の給料計算や売上集計業務等と、労務管理や営業管理等の管理部門と比較してみると、それらの仕事の判り 易さの違いが、よくわかります。 前者は維持的な業務で、毎月またはそのつど仕事が繰り返えされるのに対し、後者は仕事が流動的で、改善的な業務で繰り 返しがないのが特徴であります。 通常は、これらの性格の違う業務が、お互いに混在したまま展開されているので、非常に複雑で会社の全ての業務を見通し、 正確には把握することはできません。そこで繰り返えしのあるものと、繰り返えしの無いものに会社の業務を層別する。 その上で前者は仕事の進め方を標準化、マニアル化して対応し、後者は、会社の年度計画等の計画の中に取り込んで仕事 を進めるようにする。それだけでも、会社全体の仕事がはっきりと二つのグループに層別され、随分判り易くなります。 このように業務を層別して見ると、繰り返えしのある業務はともかくとして、繰り返えしの無い業務を如何にして判り易くするか に、問題は絞り込まれてきます。繰り返えしの無い業務は、それ自体はそのつど個別的な対応は避けられないが、その仕事の 展開方法は繰り返し的、すなわち標準化することは可能であります。 例えば、ある改善業務を、会社の年度の経営計画の中に取り込み、その活動の一環として展開する場合、その仕事の展開 方法はかなりの部分を標準化することは可能であります。具体的には、会社の方針又は経営計画の展開の仕方を標準化する ことになり、それを標準化するだけでも、それらの仕事は大変判り易くなります。 しかし現在では、会社方針の展開方法はすでに標準化され、いろいろな分野で提案され用いられてきているが、現状は形式 的なものに留まり、実際仕事の中に浸透していない場合が多いようです。そのような状況の中で、ここで問題にしている仕事を 判り易くするために、その標準化が果たして威力を発揮するかどうか疑いたくなるでしょう。しかし結論から言えば、これは非常に 大きな威力を発揮することになります。その理由は以下の点にあります。 (以下次号) 以上 |
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