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発行者 株式会社岩城生産システム研究所 編集者 有限会社IPSインターナショナル |
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平成18年1月16日発行 012号 | ||
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「岩城生産システム研究所NEWS」第12号を発行させていただきます。 今回はNEC東北・松田 恵美子 様及び 弊社・岩城宏一のコラムを掲載させていただいております。 業務統括部 |
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東北日本電気株式会社 SCM推進部 松田 恵美子 様 |
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トヨタ生産方式と聞くと、生産現場をイメージしがちですが、最近は役所や病院、金融機関でもトヨタ生産方式導入の記事 を目にします。 ムダ取りはもちろんですが、かんばん方式や平準化は、家庭でも役に立つことがあるんです。 会社では、部品を買う時、「必要な時に、必要なものを、必要な分だけ」買いましょうと教えているのに、実は家では、安かっ たので醤油を1箱買ってしまうというケースがあります。 すごく安い買い物をしたと思ったら大間違いでした。 1箱買うと台所に置けないので、別の部屋に置く。在庫管理の鉄則である「目で見る管理」が出来なくなり、いっぱいある から大丈夫という安心感も手伝って、切らしてしまう事があります。これが、岩城先生がいう 「部品は厚く持つと切れる」 なんだと実感しました。 ここでかんばんの出番。醤油や味噌、砂糖などにかんばんを1枚ずつ付けて、手を付けたらかんばんを外す。次のお買い物 の時、外れた分だけ買って補充する。この方法だと最低限の在庫と切れない仕組みが完成。 ここで問題なのが平準化。いつも使う量を同じにすれば・・・。お盆やお正月には使う量が増えるので、引き貯めが必要? なんて考えていると、会社に居る時も、家に居る時も頭の中は・・・。 この活動を通して、沢山の仲間が出来たこと、小さな改善の積み重ねがやがて一つに繋がって大きな組織を動かすことを 学びました。 まだまだ、未熟で全社の革新活動を支えるまでには至りませんが、みんなと力を合せて、1歩ずつ前進したいと思います。 今後とも宜しくお願い致します。 以上 |
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岩城生産システム研究所 代表取締役 岩城 宏一 |
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―勘違いの無駄・2― |
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私が“持たざる経営”という言葉を耳にしたのは、数年前だったように思う。当時電気業界を中心に、国内の多くの生産工場 が閉鎖され、それらの多くの仕事が海外に移され、あちこちの街から、ものつくりの灯が消えていったのが思い出される。 その大きな動きの中で、生産工場再生の努力を続け、見事に立ち直った多くの工場をみるとき、あきらめず頑張り抜いたこと の充実感を、今はしみじみ味わうことが出来ることでしょう。 近年IT産業の台頭で、世の中は次々と大きく変化していった。その変化は一般の人の予想を遥かに越えるものであったよう に思う。 このような状況の中、この急な変化に追従するためには、身軽な対応が不可欠であり、その追従こそ、これからの好ましい 企業像であるとさえ考えられた。 そのような考えの下で、従来のような重量経営は、もはや無用な長物であるばかりでなく、 企業にとっては危険であると考える。 もちろんこのような考え方には、それなりの説得力は当然あるが、問題なのはすでに”重量“を体制に内蔵している企業が、 長年貯えてきた資源を惜しげもなく、減量経営に走ったことである。 しかも“誰にもできることは外部に委託し、誰にも出来 ないことを自分たちで!”という 大義名分のもとに、その減量が、生産部門を中心に行われ、それに附随し一部開発部門まで 及んだことであろう。 具体的には“生産は誰でもできる”から、外部に任せればよいと判断したことである。しかし、これは大変な勘違いであろう。 このような考え方は、ずっと昔から存在していたが、これほどまでも大規模に実行された例は見ることが出来ない。本来“誰に でもできることは他に任せてよい”という考え方に問題があるように思う。企業は、各々固有の存在目的と、それを具体化 するための基本的な手段をもっているはずであります。外部委託の可否は物事の難易ではなく、企業そのもの存在 を特徴づける、上記のような基本的な視点の元で、判断されなければならないでしょう。例えば“誰にもできる”といわ れる簡単な作業、 “ねじ締めや半田付け”作業でも、もしそれが必要な仕事であるならば、安易に丸投げするのではなく、自ら の手で工夫を重ね、誰にも出来ないような速さと正確さをもって、見事にこなせるようにするということである。 開発した製品を生産するということは、その企業を特徴づけ、他を差別化する上での重要な活動の場であります。 これを安易に他に委託するということは、メーカにとっては、他との差別化を図るための経営活動の場を放棄することに等しい でしょう。 私たちは生産革新を推進する中で、製造業の基幹三部門である生産現場、開発、営業が連携し、相乗的な成果をあげ、 それが企業全体の効率化と強化を促進することを実感している。 これはどの部門を欠いでも成立しないものであり、これ等のいずれも外部委託などあり得ないことであろう。特に生産部門 は企業内の諸活動を具体的な価値として、具現化する上で重要な場であり、そこの疲労は企業全体の崩壊につながる。 仕事のアウトソーシング全盛から、今やっと我々立ち直ろうとしている。振り返ってみると“持たざる経営”のもとでのこれ までの動向が、如何に大きな無駄をもたらしたかを、知ることができるであろう。 以上 |
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