発行者  株式会社岩城生産システム研究所

 編集者  有限会社IPSインターナショナル
   平成17年10月1日発行 005号 
 お知らせ

 岩城生産システム研究所NEWS・第5号を発行させていただきます。

今回号は岩城の連載コラムに加え、 今回は、弊社のカスタマーさまの中の一社であり、NECグループの物流部門を担うNEC

ロジスティクス株式会社の佐藤 京子 様からのコラムを掲載させていただいております。

生産革新においても、そして家庭においても縁の下の力持ち−そんな“ 裏方 ”にとってのトヨタ生産方式をご覧下さい。


                                                                  業務統括部

 「生産革新ー裏方奮戦記1」 NECロジスティクス株式会社 
輸配送戦略部 佐藤 京子さま


私は岩城先生指導会に、関係者として約3年前から参加させていただいております。


担当業務は、指導会開催のスケジュール調整、開催案内から出欠の確認と、指導会で使用するレシーバーの開催拠点

への輸送担当しておりますが、先日 岩城生産システム研究所の松原様よりコラムへの投稿の依頼が届きました。


松原様のお話では、“岩城先生からのご指名です!”とのことですが、指導会の雑用裏方として業務をしている私は、

生産革新とか、トヨタ生産方式の現場実践に直接関係した難しい内容については分かりませんので、私から見た指導会

に関係して思ったこと、感じたことを書かせていただきたいと思います。


冒頭の業務で紹介しましたレシーバー輸送ですが、今は定時・定ルートで運行している全国ネットワーク便で輸送してい

ます。

当初はNECL(※NECロジスティクス社の略称) 便がどう走っているのかも分からずスケジュールを組むのさえままならない

状況で、よく現場の方々によく輸送経路面で注意をしていただきました。

中継輸送が上手くいかず、他の拠点に輸送されてしまったこともあり、毎日ハラハラドキドキでした。

しかし、現在では全国ネットワークの定時・定ルートのトラック運行が浸透したことや、時刻表や運行経路も社内イントラネット

で誰もが閲覧可能な仕組みが出来上がっているので、紛失や遅延なく、安心してレシーバー運用業務を行っています。

これも、指導会の際、岩城先生がとても紳士的で優しい口調でコメントされる、“定時・定ルート輸送を推進しなさい”という

お言葉を、NECLの拠点の方々が、自分で理解をして実行してきたことの表れだと思います。

輸配送ネットワーク、そして拠点の担当者の方の意識は昔と大きく変わったと思います。

岩城先生すごい!そして、ありがとうございました。


さて、ガラリと話は変わりますが、お母さんの嘆きとでも言いましょうか?!

学校では、保護者主催で講演会を行いますが、毎回どの方面のどんな方にお話を伺おうかと話し合いがあります。

そのときに、“佐藤さんの会社関係でどなたかお話ししてくださる方いないの?”と聞かれて思い浮かんだのは岩城先生

でした。

そうです!先生のご指導にあります『出るを制す』は主婦の命題でもあり、日々家計簿と格闘しているのです!

先日、ある方と“家庭でできる生産革新って何だろうね?”というような話をしたことがあります。

我が家の『ムダ取り』? ・・・・ たくさんあり過ぎて怖いです。

冷蔵庫の中の確認? 備品(洗剤やゴミ袋)の整理整頓!

でも・・・安売りチラシを見たら、今は要らないのに大量購入してしまうのは主婦の習性!?

また、共働き夫婦は週末に食料品をまとめ買いは当たり前!!

難しい現実に直面してしまいました。

岩城先生ご教授くださいませ!


最後に、NECL指導会事務局業務を通して、多くの方々と交流できる機会を得たことが私の大きな

財産となっています。


これからも微力ながら、岩城先生指導会の裏方として、みなさんと一緒に生産革新に取り組んでいきたいと思います。

これからもどうぞ、よろしくお願い申し上げます。



                                                                    以上



 コラム「コンサルタントのひとり言」  岩城生産システム研究所
代表取締役 岩城宏一

 
― 無駄もいろいろ・3 ―


設備を停めるな

 先回の「最新鋭の設備を買っちやつた!」ほど酷い話ではないが、設備に多くの金をかけている工場では、これに

似たようなことは、日常茶飯の出来事であります。

 半導体工場などは、その典型的な例であります。私がその生産現場でまず見かけた、珍しい光景は、仕事する前に、

作業者が必ず設備の側のコンピュータの画面を見ていることでありました。 はじめはさすがに最先端工場だけある

なぁ〜。みんなコンピュータ制御されていると感心しました。


 しかしよくよく見ると、多くの場合が設備を空けないように、その設備に仕掛けられる品物を探し、設備を動かしている

のでした。これには驚きました。


即ち「高い設備なので、とにかく設備を遊ばせないように、少しでも品物を投入しておかなければならない。投入さえして

おけば、いつかは品物が出るから・・・。」という考え方であります。これはとんでもないことであります。


 このような人達には、設備を遊ばせることは、耐え難い大きな無駄だという共通した意識があります。それはせっかく

買った設備ですから、動くに越したことはないが、しかし高価な設備を使って、要らない物を造る方が、余程大きな無駄

をことしているのです。


 このようなことは、分かりきったことです。しかし要らないものをつくっているという自覚は、誰もしていないのです。

しかし私の目には、この人達は必要なものをつくっているどころか、何が必要な物かさえ分かっていないで、仕事をして

いると見えるのです。


 この違いはどこにあるのでしょうか。それは必要なものに対して、皆さんは「
いつかは要るもの」、私は「要るもの」と

考えている。即ち、今の瞬間から必要とする時間の区切り方に、大きな違いがあるのです。


 このように必要とする時間の区切り方によって、必要なものが、不必要なものになる。それに伴い工場の動き、例えば

設備の動かし方などが大きく形を変え、両者を対比することにより、膨大な無駄を顕在化することができるのです。

以下次号でこの無題について述べてみましょう。



                                                                    以上

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