発行者  株式会社岩城生産システム研究所

 編集者  有限会社IPSインターナショナル
   平成17年9月15日発行 004号 
 お知らせ

 岩城生産システム研究所NEWS・第4号を発行させていただきます。

今回は、岩城の前回からのコラムの続きに加え、弊社の現場指導会の撮影を担当して下さっている渡辺カメラマン

からのコラムも掲載させていただいております。

コンサルタントとは違ったアングルで見た生産革新をお楽しみ下さい。


                                                                  業務統括部

 コラム「カメラが見た生産革新」 カメラマン 渡辺兼司さま


私は、岩城先生の生産革新現場指導会のビデオ撮影を担当し、生産革新を推進している全国の製造現場へお邪魔する

日々を送っています。


いつも快く受け入れてくださる全国の工場の方々をはじめ生産革新の関係者の方々に、この場をお借りして厚く御礼申し

上げます。


さて、この度「カメラが見た生産革新」というテーマでコラム記事を掲載する機会を頂き、改めて私が見てきたものについて

考えてみました。


やはり当然の事ですが、いつも印象に残るのは現場の方々の表情でした。


生産革新のスタート当初は、どこの現場でも不安や疑問の表情があふれており、また、当時国内で主流だった製造業の

海外シフトの波に自信をなくされている表情も、数多く見受けられました。

その気持ちは、製造現場の姿ににそのまま反映されていたようにも感じます。


それが今では、どの現場でも皆さん自信にあふれた表情をされており、本当に驚きです。

もちろん、現場の姿も当時とは比較にならない程、変貌を遂げており、大きな成果を上げられていることは皆さん承知の

事実です。


1つの小さな改善の成果が小さな自信を生み、この積み重ねが大きな自信に繋がり、大きな結果を生み出していく。

人間とは精神力の生き物で、精神力を鍛えるのは自らの体験であることを改めて学ばせて頂きました。


私自身日々、貴重な体験をさせて頂いていることに深く感謝しております。

今後ともよろしくお願い致します。 



                                                                    以上



 コラム「コンサルタントのひとり言」  岩城生産システム研究所
代表取締役 岩城宏一

 
― 無駄もいろいろ・2 ―


“最新鋭の設備を買っちゃった”


ある日の午後、取引先のダンボール屋さんを訪問すると、工場の庭から室内まで、ダンボールが山積みにされている。

以下はそれを前にしての、私とその会社の社長のやり取りであります。




 「社長! どうしたんですか!? こんなにダンボールを積み上げて!!」

社長 「長年欲しいと思っていた最新鋭の高速裁断機を、やっとドイツから買うことができたので、この機械だけは止めたく

   ないものですから。」


 「しかし、雨が降ったらどうするんですか!?」

社長 「それは濡らすわけにはいかないから、皆で仕事を止め、部屋の中に取り込むのですよ。」


 「取り込むといっても、取り込んだら仕事をする場所がなくなり、仕事ができなくなるではないですか!?」

社長 「・・・・・・。」


 「ところで、うちへの納入品は何処にあるのですか??」

社長 「それは別の場所を借りてそこに置いてあります。」


 「えっ!家賃が掛かるではありませんか!?」

社長 「ええ、まあ。」


 「場所を借り、モノを置くと、その出し入れのために人がいることになるでしょう!?」

社長 「そうです。」


 「人がいると電話、事務機器、冷暖房がいるでしょう!?」

社長 「そうです。」


 「一人では寂しいので、もう一人置いてくれと言うでしょう!!」

社長 「その通りです! よくご存知ですねぇ!!」


 「これじゃあ儲かるどころか、持ち出しじゃないですか!?」

社長 「ええ、値上げをお願いしに、伺おうと思ってました!」

 「・・・ムム・・・。」



これは30年前、実際にあった話です。

本当に必要な仕事を逸脱し、虎の子の新鋭の設備が暴走し、無駄を撒き散らした例です。

今も変わることなく、この様な例はしばしば見かけます・・・。




                                                                    以上
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